●『酒乱』のリレー詩
第二回 第三走者
マージナル
暗闇と白い世界
素直に溶ければよいものを
/どこが境目なのか
一瞬、確かめそうになる
その一瞬も数えられるはずもなく
途方もない時間
歌が散りつづける
花が流れつづける
焦がれた空間でもがきあえぐ
/刺すような痛みが懐かしい
次の世界を信じていた
戻れないとしたら、前へ
前には感触があるのか
/わからない
けれど肢体であったこの塊を進めてゆく
誰かとの
何かとの
約束があるような気がするから
/黄色い線が走った?
それをつかもうとしたのは「わたし」
また形を帯び始めて
叩いたものは「あなた」のようだった
©shuran